フィラリア予防薬のこと

フィラリア予防はなぜ大切なのでしょうか?

フィラリアという病気は犬を飼ったことのある方、犬好きの方なら誰でも聞いたことはあるはず。しかし、意外と詳しいことはご存知ない方が多いのではないでしょうか。この病気は致死率も高く、感染性の病気なので、必ず知って置かなければならない病気です。この病気は、他の伝染病のようにウィルス感染するものではないので予防ワクチン接種ではなく、毎月の飲み薬等で100%予防できるものです。

この予防薬も種類があり、その種類によってはコリー系の犬の命を奪う可能性もあるので、コリー系の飼主さんは必ず獣医師さんに処方してもらいましょう。その上で飼主さん自身も正しい知識を持ち愛犬の健康を守りましょう。

フィラリアとは何か?

フィラリアとは、「犬糸状虫」という体長30センチ前後の線虫(そうめんのように細く長い虫)が心臓に寄生するという病気です。この寄生虫は、蚊に刺されることで感染します。観戦すると心臓に寄生し、心臓から肺や肝臓、腎臓といったあらゆる臓器に障害をもたらします。発症すると致死率の高い病気です。

日本で、この病気が認知され予防が可能になったのは、近年になってから。私が幼い頃は外飼いの犬も多く、フィラリアが原因で亡くなる犬も多かったように思います。今は予防薬を使用すれば、完全に予防できる病気となりました。

フィラリアは、フィラリアに感染している犬の血液を吸った蚊が、別の犬を吸血する時に感染します。犬の心臓や肺動脈に寄生するフィラリア成虫が、幼虫(ミクロフィラリア)を産むことで繁殖していきます。

蚊によって感染したフィラリアの幼虫(L3)は犬の体内に入って約3ヶ月間は皮下や筋肉の中で成長します。(感染後約10日でL4に、60~70日でL5に成長) その後、血管に入って血液の流れに乗って心臓に向かい、感染後約4ヶ月でそうめん状の白く細長い成虫となり、犬の心臓や肺動脈に寄生します。この成虫が原因となり様々な異常を引き起こし、最後には犬の命をも奪う存在となります。

大型犬模型小型犬模型

フィラリア予防薬は、皮下や筋肉の中にいるL4期のミクロフィラリアの段階で駆除するものです。さらに成長し一度血管に入り込んでしまったフィラリア幼虫は、腸などに住み着く回虫等とは違い、その死骸が犬の体外へすぐに排出されることありません。駆除すると死骸で血管を詰まらせ犬を死に至らせる危険があるので注意しなければなりません。

フィラリア成虫の寿命は5~6年と言われています。大型犬の寿命が10~13年であることを考えると、感染すれば命の危険があること、心臓や肺にそうめん状の虫が寄生しているため、心臓等に負担がかかり常に苦しい状態になってしまいます。ということから毎月服用することで薬の副作用も気になるところですが、それを差し引いても薬を与え、予防してあげるほうが良いのではないかと思います。フィラリアは、予防さえすれば完全に防げる病気だから。

フィラリアの予防法を知ろう!

フィラリアは正しく予防薬を投与すれば100パーセント防げる病気です。フィラリア予防薬には以下の3種類の投与の仕方があります。
(フィラリアの予防薬とは駆虫薬であり、万が一感染していた場合、ミクロフィラリアの段階で駆虫する薬です。厳密に言えば予防薬では無く駆虫剤です。が、それ以上の感染を防ぎ健康体を維持するという意味で予防薬と言えます。しかし、ミクロフィラリアの殺虫剤であること、コリーという犬種の薬に対す副作用について考慮しつつ投与してあげましょう。)

  1. 錠剤・散剤(粉)・チュアブル等のおやつ型など毎月1回服用するタイプ。
  2. 半年に1回注射をするタイプ。
  3. 毎月1回液剤を皮膚に直接滴下するスポットタイプ。

最も一般的な予防薬は、1のタイプです。2・3については後で説明します。
口から服用するものはあとになって吐き出したりしていないか確認が必要ですが、長年の研究により、薬の実効性を高めつつと副作用が軽減されているので安心です。ただしコリー系の場合、他の犬種よりも薬に対する抵抗力が弱いので使用を避けるべき種類があることを知っておきましょう。
中でもイベルメクチンを使用しているものは、コリー系への使用は危険!と言われており要注意です。
またフィラリア予防薬は、獣医師に犬の血液検査をしてもらい、体重を計ってから処方してもらわなければなりません。なぜなら、気づかないうちにフィラリアに感染している犬に予防薬を投与すると、フィラリアの成虫や幼虫が血管の中で死骸となり、それが犬の血管に詰まり、犬が突然死することもあるからです。また、体重に合わせて投与しないと、薬の量が多すぎ副作用でショック症状を引き起こす危険もあります。毎年きちんと予防していたとしても、こういった事態を招かないためには翌年には必ず血液検査を受けて体重を測定し、適切な薬を処方してもらいましょう。

フィラリア予防薬について

予防薬の投与の重要性は充分にご理解頂けたと思いますので、次に予防薬の種類と注意について、以下に、コリーオーナーでもある獣医師さんによる、「フィラリア予防薬の種類についての解説」を参考に記載しておきます。

日本国内では、イベルメクチンミルベマイシンオキシムモキシデクチンという三種類の薬剤が承認されています。これは、それぞれ薬剤名での表記となっていますが、商品名としては、イベルメクチンは、カルドメック錠(チュアブル)・パナメクチンという商品名で、ミルベマイシンオキシムは、ミルベマイシンA錠(顆粒)・システックという商品名で、モキシデクチンは、モキシデックという商品名で販売されているようです。但し、薬剤名は発売元によって名称も変わるので、万国共通である薬剤名イベルメクチン(Ivermectin)・ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)・モキシデクチン(Moxidectin)で覚えておくと良いようです。

イベルメクチン(Ivermectin)
商品名:カルドメック錠(チュアブル)・パナメクチン等

コリー飼いの間では、イベルメクチンは、コリーには危険ということで知られている薬です。しかし、獣医師業界では認可されている薬であれば、基本的には安全とされていますので、処方されることも少なくありません。では、なぜ危険といわれているのでしょうか?
ひとつには、「投与量」にあるようです。実はイベルメクチンは、フィラリア予防だけでなく、疥癬(かいせん)や毛包虫(アカラス)の駆虫薬として使われる(人間の疥癬にもイベルメクチンが使用されています)ことがあります。フィラリア予防薬として投与されるイベルメクチンは少量なのですが、これらの駆虫薬として使われる場合は、その50~100倍以上の量が必要になります。このレベルの投与になると、多くのコリーに副作用が生じ、ふらつく、倒れる、意識混濁、昏睡などの神経症状が見られたり、死に至ることもあるそうです。
もうひとつは、「投与法」の問題です。安全性の確認されているフィラリア予防薬は全て飲み薬です。昔は、現在のように「月に一度飲ませる予防薬」がありませんでしたので、フィラリア予防に毎月イベルメクチンを注射する獣医師もいたようです。しかし、この方法は経口投与に比べると同じ薬でも薬効が強く、吸収量も多くなるので過剰投与となり、コリーには非常に危険なのです。
なので、月に一度、注射を打つのは危険です!!また、毎月1回液剤を皮膚に直接滴下するスポットタイプも、量的にはかなり高用量になるためコリーへの使用は避けたほうが良いようです。
以上の理由から、他に予防薬が無いのなら別ですが、他に安全が確認されている予防薬があるので、コリーに関しては別の薬を使用することをお薦めします。だって、予防のために飲ませた薬で愛犬が苦しんだり、死亡したりするなんて、悲劇すぎますもんね?

ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)
商品名:ミルベマイシンA錠(顆粒)・システック等

この薬も以前は、コリーに副作用が出ると問題になったそうですが、現在は改良が加えられて、コリーでも使用可能になった薬です。
この薬は、フィラリア予防量で同時に、回虫、鉤虫、鞭虫も駆除ができてしまうという特徴があります。アカラス治療にも使用可能です。
こちらのお薬を使用されているコリーちゃんも沢山いますので、ほぼ安全と言えるように思います。

◆モキシデクチン(Moxidectin)
商品名:モキシデック

フィラリア予防量としては、もっとも安全性の高い予防薬とされているのが、このモキシデックです。稀に、犬種を問わず体質に合わない犬もいるようですが、コリーに関してはトラブルの報告も無く安全だと考えられています。
我家のミルキーも、毎月モキシデックを処方して頂いて飲んでいます。
但し、同じモキシデックでも、効果が半年持続するという注射で打つタイプのものは、犬種を問わずショック症状の報告があるとのことですので、コリーへの投与は必ず、毎月飲ませるタイプを処方して頂いて下さい。

フィラリア予防薬の投与期間

ここまで読んでいただければ既にご理解いただいていると思いますが、予防というよりは早期段階での駆除となるので、愛犬がミクロフィラリアのL3期幼虫を持つ蚊に刺され感染しL5期幼虫になるまでの期間に薬を投与して駆除してしまうことが予防となります。ということからフィラリア予防は蚊が活動するシーズンに行えば良いということです。
できるだけ愛犬が蚊に刺されないことが望ましいのですが、それはほぼ不可能なので蚊の吸血時期になったら投与を開始します。
全国平均で、フィラリアの予防しないで蚊のいるシーズンを越した犬は、約50%、翌年も予防しないと90%、3回予防しないシーズンを越した犬は100%近くがフィラリアに感染するというデータがあります。
蚊は気温・室温が約14度以上になると吸血活動を開始し、14度以下では刺すことなく活動停止するか死んでしまうようです。蚊の活動期は、北海道から沖縄まで気候の差が大きいので数ヶ月のズレがあります。投与期間については、お近くの動物病院で適切な投与時期の指示を受けてください。
関西地方では、5月~12月くらいまでとされています。ただし、その年の気候によって蚊の活動期間も異なりますので、その都度考慮して投与しましょう。蚊を確認してから1ヶ月以内に開始し、蚊を見なくなってから1ヶ月後まで投与しましょう。
毎月投与するタイプのものを与えている場合、数日の投与が遅れても問題はありませんが、万が一、L5期以上の幼虫、成虫に成長したフィラリアがいた場合は愛犬の命の危険があるので、できるだけ決められた日に投与しましょう。
また、その年の最後の投与から翌年の開始時期までに期間が開くので、最後の投与時期が非常に重要となります。蚊のいなくなった時期の翌月まで与え、投与休止期間にフィラリアが成虫になる可能性を排除することが大切です。
獣医師さんによると「もういいだろう」と思って最後の投薬をせずフィラリアになってしまう犬が多いそうです。最後まできちんと投薬してあげましょう。そして、翌年の投与開始前には、必ず血液検査をしましょう。

もしフィラリア感染してしまった場合は?

フィラリアの治療には大きく分けて4つの選択肢があります。

  1. 手術で成虫を取り出す方法。
  2. 薬で幼虫と成虫を全滅させる方法。
  3. 薬で幼虫だけを殺して成虫はそのままにする方法。
  4. 虫に対しては何もせず、 咳を抑えたり貧血を改善したりする対症療法。

どの方法を選ぶかは症状の度合いと犬の年齢・体力などから総合的に判断されるようです。

1. 手術で成虫を取り出す方法。

手術で成虫を取り出す場合は、犬に全身麻酔をかけ、喉のところを切開して、血管内に物をつまめるようになってい管を挿入します。それをフィラリアのいるところまでゆっくり進め成虫をつまみ出します。この手術は獣医師さんの経験と腕次第のようで、フィラリアによって傷つけられもろくなっている血管の中に管を入れるため、血管が破損したりとリスクも大きいようです。
確実に駆除できる方法なのかもしれませんが、フィラリアの数や大きさにも左右されるでしょうし、犬への負担も大きくリスクも高くなります。

2. 薬で幼虫と成虫を全滅させる方法。3. 薬で幼虫だけを殺して成虫はそのままにする方法。

2.3.の薬によって幼虫と成虫を全滅させる治療と、幼虫だけ駆虫する治療は、薬剤による犬への負担と、駆虫によって死んだ虫が血管に詰まる恐れがあります。
ですから、この治療法は比較的に体力のある犬に治療法が選択されるケースが多いようです。幼虫・成虫の駆除に関しては薬の投与で調節されます。コリー系のように薬に弱い犬種の場合、成虫の完全駆除に使用する薬の投与にもリスクが伴います。

4. 虫に対しては何もせず、 咳を抑えたり貧血を改善したりする対症療法。

犬の年齢や体力が手術や、薬の投与による駆虫治療に耐えられないと判断された場合は、対症療法をすることになります。
気管支拡張剤によって呼吸を楽にすることにより、犬の苦痛を軽減したり、腹水がたまり始めているときは利尿剤によって排尿を促進させたり、フィラリア症による症状を緩和し、いかに毎日を楽にさせてあげられるかという対症療法を行なうことになります。つまり、辛い思い完全に取り除くことはできないわけです。

個人輸入など、薬を安く手に入れたい。

フィラリアの予防は大切、でも獣医師さんのところで処方してもらうと中型犬で、一回分1500円程度かかってしまいます。複数飼っている場合、年間かなりの金額となってしまいます。我が家では個人輸入で購入しています。もっとも安全性の高い予防薬とされ日本の獣医さんでも良く処方されるモキシデックと同じ成分の「プロハート」という薬をオーストラリアのWEBショップ「VetProducts DIRECT」で購入。個人輸入ということで、1度に2パッケージまでしか買うことだできませんのでご注意ください。※それ以上になると税関で没収されたりすることがあります。

その他の参考ページ

ウィキペディア−フィラリア

gooペットフィラリア基礎知識

gooペットフィラリアって何?

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